【根本祐二先生 近著】インフラ崩壊(日経プレミアシリーズ) | 日経BOOKプラス

【根本祐二先生 近著】インフラ崩壊(日経プレミアシリーズ) | 日経BOOKプラス

https://bookplus.nikkei.com/atcl/catalog/25/10/27/02288/

内容紹介
破裂する水道管、陥没する道路――
危機は今、そこにある。

なぜ事故が続発するのか。
50年前から続く原因を明らかにし、崩壊を食い止める具体策を提案する。

道路、橋、上下水道、市役所、学校などインフラの老朽化が全国で深刻化しており、事故が多発している。
なぜこのような事態になったのか、これから何が起きるのか。そして、どのような対策を打てばいいのか。解決の決め手となる「省インフラ」の具体策を解説する。

<「はじめに」より>
インフラの共通点は、コンクリート、金属、プラスチック、木材など、もともと寿命が有限の素材で作られている点である。公共施設や橋、水道管などに寿命があることはわかりやすいだろう。土や石でできた道路は寿命が無限に見えるが、路面を舗装しているアスファルトやコンクリートには寿命がある。インフラは時がたてば次第に機能が劣化し、いずれは何らかの障害が発生することになる。

何年使えるかは、インフラの種類ごとに目安が存在する。水道管は40年、下水道管は50年、橋や建築物は60年、道路舗装のアスファルトやコンクリートは15年である。目安の期限を過ぎてもすぐに壊れて使えなくなるわけではないが、壊れる危険性が増すことは間違いない。逆に、目安の期限が来る前に壊れることも珍しくない。

どのような障害が発生するかはインフラの種類によって異なる。公共施設(建築物)では倒壊、雨漏りなど、道路はひび割れや陥没、橋りょうは崩落、水道管は破裂や断水が生じる。詳細は、第1章の「放置シナリオ」で紹介する。

いずれにせよ、インフラ老朽化は国民の生命や生活に甚大な影響を与えかねない問題である。序章で述べる「2040年の日本崩壊 衝撃の近未来予測」は、単なる妄想や脅しではない。十分な対策を速やかに講じない限り、実際にそうなってしまいかねない現実なのである。

目次

はじめに

序章 2040年の日本崩壊 衝撃の近未来予測

第1章インフラ老朽化問題はなぜ起きたのか

1 インフラ整備の歴史に根ざす問題の本質
老朽化問題、第1の原因が発生--1970年代
問題を深刻にした第2の原因--1990年代
高度成長期のわずか半分の投資に--2000年代以降
2つの歴史の転換点
2 インフラ投資パターンから見る原因
一定額を投資し続ける--投資平準化パターン
最初の投資を負債で調達--負債減少パターン
人類史上最大最速の投資による弊害--米国のパターン
日本はどのパターンになるのか
3 問題を解決するための3つのシナリオ
現実的にとりうるシナリオは?
放置シナリオ--各インフラでどのような事故が起きるか
負債・増税シナリオ--消費税9%以上の引き上げが必要
持続可能なシナリオ--インフラを必要最小限に減らす

第2章 インフラは今どのような状態なのか

1 インフラには公共施設と土木インフラがある
2 公共施設の現状と老朽化
教育・子育て支援施設--学校の更新費用は5分の1
福祉・医療--民間比率が高い高齢福祉施設
行政系施設--庁舎は人口1人当たり面積のばらつきが大きい
公営住宅--老朽化と空き家の問題が発生
3 土木インフラの現状と老朽化
道路--増加は1970年代がピーク
橋りょう--予算不足で滞る修繕
水道--圧倒的な更新不足
下水道--2040年代に大きな更新投資負担
4 公共施設と土木インフラの相違点のポイント

第3章 インフラ老朽化問題の解決方法

1 公共施設と土木インフラの対策はまったく異なる
公共施設がなくてもサービスは提供可能
老朽化問題を解決する「標準メニュー」
2 機能を維持して量を削減する方法
広域化--複数の市町村で公共施設を共同設置
ソフト化--民間に公共施設を委託してサービスを維持
集約化--複数の施設を統廃合する
共用化--同じ種類の施設を共同で利用
多機能化--1つの施設に様々な機能を持たせる
土木インフラの間引き--歩道橋、橋などを廃止する
3 量を維持して費用を削減する方法
土木インフラで有力な対策
保全の具体的な方法
事例--センサーやドローン、AIを活用
4 施設やネットワークを使わない方法
固定費から変動費に変える発想の転換
すでに実施されている3つの手法
5 サービスの受け手が移動する方法
移転・集住して効率を上げる
防災移転とコンパクトシティ
移転・集住は強制できない
6 収入を増やす方法
確実に収入が見込める2つの方法
法定外税の導入と利用料引き上げ

第4章 「省インフラ」でインフラを持続させる

1 省インフラという価値観への転換
省エネルギーが日本経済を成長させた
省インフラをカルチャーにする意識改革
2 拠点を選択し集中投資する省インフラ
省インフラがない世界--生活が破壊される
省インフラが普及した世界--利便性の高い拠点が誕生
成功事例--岩手県紫波町オガール地区の開発
3 シミュレーションでわかる大幅削減効果
インフラ種類別の更新投資ウェイト
公共施設は6割減が可能に
土木インフラはリスクベースマネジメントを実施
厳しい方法を導入してもギリギリの状態

第5章 選択と集中を行うコンパクトシティへの転換

1 拠点を設定するという大問題
賛同が得られても進まない現実
拠点とするのは小学校
1695倍の教育環境の差が生まれている
日本全土で拠点設定をシミュレーションする
1万人ごとに1拠点を1万カ所設置
成功事例--富山市の「串と団子のコンパクトシティ」
2 合意形成を進めるための方法
民間施設でも合意形成が必要な場合も
合意形成の3原則
成功事例--岩手県紫波町の学校再編計画
3 合意形成に役立つ工夫
「公共ROA」で施設の利用効率を示す
「標準原単位方式」で更新費用を可視化する
「デリバレイティブ・ポリング」で認識を変える